《旬もの》 香取養蜂場(水戸市) 完熟搾りの天然はちみつ

茨城新聞
2017年9月17日

蜜でいっぱいになった巣枠を遠心分離機に入れ、蜜を搾る。栓をひねると金色に輝く蜂蜜がとろりと流れ出てきた。

香取養蜂場は茨城町で蜜を集め、水戸市で蜜を搾る。香取繁さん(65)が作るのは「熱や糖分を加えない。何の加工もしない」という「天然はちみつ」。「蜜蜂が頑張って集めてくれた自然のもの。一滴も無駄にはできない。苦労も多いが、努力すれば努力した分、蜂が応えてくれる」と安全で良質な蜂蜜作りに励んでいる。

蜂の生態に興味を持った香取さんは約10年前、東京の講習会と埼玉県の養蜂家から養蜂を学んだ。その後「趣味で楽しもう」と養蜂を始めた。たくさん採れるようになり販売を始めると「味わいが違う」と評判になった。一人で作業するため在庫がないこともあるという。

香取さんは「安全な蜂蜜作り」に取り組む。新しい蜂を導入したり、元気な女王蜂を育てたりするなど「健康な蜂作り」に努める。毎週、巣箱の中を「内検」し、産卵や病気の状況、採蜜のタイミングなどを確認する。

茨城町の荒れ地を開墾。エンジュ(アオエンジュ)を植え、花の種をまき、無農薬で蜜源植物を育てているという。定置養蜂で1箱3万~5万匹、12箱の蜂を飼育する。近くの桜やアカシア、栗、エンジュなどを蜜源に、春から秋まで蜜集めは続く。

香取さんによると、蜂蜜は糖度が低いと発酵してしまうため、最低でも糖度が76度ないと製品にできない。巣に運ばれた蜜は蜂の羽ばたきで水分を飛ばし糖度を上げる。貯蔵に耐えられる糖度になると蜂は体から蝋(ろう)を出し蓋(ふた)(蜜蓋)をする。蜜蓋は「完熟した証し」。

香取さんは蜜蓋ができてから蜜を搾る「完熟搾り」を行う。採蜜前に蜜蓋をそぎ取り、巣枠を遠心分離機にかける。完熟の天然蜂蜜は搾りたての蜜をこして瓶詰めするだけ。

蜂蜜は花によって風味に個性が出る。いろいろな花の蜜が混じった百花蜜もある。「同じ花でも搾るごとに色も味も香りも違う」。何も足さない、自然のままのおいしさが味わえる。

■メモ
香取養蜂場
▽住所は水戸市城東2の5の13
▽(電)029(225)3888
▽取扱場所
水戸市五軒町の倶楽部クチュール

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