唐招提寺御影堂障壁画 茨城で初公開

茨城新聞
2017年2月11日

戦後を代表する日本画家、東山魁夷(1908~99年)が10年の歳月をかけて完成させた「唐招提寺(とうしょうだいじ)御影堂(みえいどう)障壁画(しょうへきが)」が11日から、水戸市千波町の茨城県近代美術館で公開される。本県で初めて。唐招提寺を開いた鑑真和上が海を渡って訪れた日本の自然美と、中国の風景を68面のふすまや床の間に描いた「東山芸術の集大成」といわれる。会期は4月2日まで。

ふすま絵と床の間の絵68面で構成される障壁画は、総延長約80メートルに及ぶ大作。構想から完成まで10年を要した。中国の鑑真和上が訪れた、青や緑を基調に彩られた日本の山海と、水墨で表現した中国風景を調和させている。

68面のうち、「濤声(とうせい)」は日本の海が鮮やかな青色で描かれ、「揚州薫風(ようしゅうくんぷう)」は鑑真和上の故郷中国の壮大な風景が墨一色で表現されている。

会場では、畳敷きの展示台を設けた臨場感あふれる空間に、障壁画を立体的に陳列。障壁画を制作するため、東山氏が日本や中国各地でしたためたスケッチや下図、試作なども合わせて展示している。

担当の稲葉睦子首席学芸員は「通常は非公開の障壁画を間近にできる絶好の機会。鑑真に捧げようと、日本と中国の異なる絵画世界を調和させた、東山氏の壮大な構想を感じていただきたい」と話す。

東山氏は東京美術学校を卒業後、ドイツに留学。戦後は日展を中心に風景画を数多く発表。68年には皇居新宮殿壁画を完成させるなど日本画壇を代表する一人として活躍。翌69年、文化勲章を受章した。

開幕を前に同館で10日、内覧会が開かれ、橋本昌知事、唐招提寺八十八世長老の西山明彦(みょうげん)氏、長野県信濃美術館東山魁夷館の橋本光明館長らがテープカットを行った。  

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