《土木遺産の路線 わ鉄を巡る(19)足尾駅》建築当初の規模 維持

上毛新聞
2016年11月24日

わたらせ渓谷鉄道足尾駅は、1912(大正元)年に造られた。当時、近くに鉱業所事務所など足尾銅山の経営拠点があり、今も迎賓館(現古河掛水倶楽部(くらぶ))、重役宅が残されている。
駅舎は38(昭和13)年に改築されたが、建築当初の規模を維持している。待合室部分の屋根は半入り母屋造りで、事務室はそれより一段高い切り妻造りとなっている。
旧足尾鉄道の歴史をまとめた写真集「足尾鉄道の一世紀」は、開業から1カ月の様子を当時の足尾駅長が記した資料を紹介している。
それによると、住民は鉄道が珍しいあまり「開業より3日間前後はただただ往復する客多く、ことに小児の乗車多数」という状況。一時的な乗車ブームの後は「当駅以北の地方に至る旅客と鉱業所に来る旅客のみ」だったという。

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