宿泊外国人52%増 8月の県内 全国4位の伸び率

上毛新聞
2016年11月2日

観光庁は31日、8月に国内のホテルや旅館に泊まった外国人の延べ人数が前年同月比3.6%減の582万人で、3年7カ月ぶりに前年同月を下回ったと発表した。訪日客数は前年より増えており、船内で宿泊するクルーズ船利用者の急増など旅行形態の多様化が一因とみられる。ただ、本県は52.2%増と都道府県別で4番目に高い伸び率で、インバウンド(訪日外国人誘客)が好調な状況をうかがわせた。

県内のホテルや旅館に泊まった外国人の延べ人数の伸び率は、1月59・2%、2月61・0%、3月41・5%、4月23・4%、5月11・7%、6月31・7%、7月6・0%。都道府県別順位で、6月(8位)、2月(9位)もベスト10にランクインした。
県は本年度、東アジアと東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国を重点地域に誘客活動を展開。2020年東京五輪を見据え、PR動画の作成や消費税免税店の増加も見込んでいる。観光物産課は「伸びしろはまだまだある。滞在時間を延ばし、お金を使ってもらえるよう取り組みたい」としている。
8月の延べ宿泊者数は、地域別では、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)が6・5%減で、それ以外の地域が1・0%増と、訪日客が地方にシフトする動きもうかがえる。伸び率が最も高かったのは香川の65・9%で、愛媛61・5%、福島56・2%と続いた。
16年の訪日客は初の2千万人を突破したが、伸び率の鈍化に加え、7~9月の旅行消費額も4年9カ月ぶりに前年割れとなっている。政府は20年に4千万人に増やす目標達成に向け、宿泊施設の充実や、長期滞在を促すため地方の観光地の魅力向上といった対策を急ぐ。