《水辺の風景》板倉 川魚料理に新風 水郷の食文化 次代に

上毛新聞
2016年10月26日
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ㅤ川や池に恵まれた板倉町では、ナマズやフナ、ウナギなどを使ったさまざまな川魚料理に出合える。中でもコイは栄養価が高く、法事やお祝いの席などで「洗い」「こいこく」といった料理が振る舞われてきた。時代に合わせた工夫を加えながら、地域に根付く食文化を伝える動きもある。
ㅤ同町板倉の「うおとし」は、1897(明治30)年創業の老舗だ。ナマズの天ぷらやこいこくといった伝統料理に加え、ナマズのすしやコイのカルパッチョなど独自のメニューが楽しめる。
創作料理に挑戦するのは4代目の荒山尚士さん(41)。大学卒業後、都内の懐石料理店などで修業を積み、12年前に家業を継いだ。「川魚を食べ慣れていない若い人や女性にも食べてほしい」と試行錯誤を重ねる。先祖が残してくれた味を次代に伝えたいからだ。
ㅤおすすめは、ショウガやニンニクしょうゆで食べる「こいの生刺(さし)」(648円)。川魚はさばいて3時間ほどで食感が失われ臭いも出るため、刺し身は難しいとされるが「鮮度には絶対の自信がある」。身は弾力があり、臭みは全くない。ピリ辛味の「こいの四川風サラダ」(540円)も人気だ。
ㅤ水郷地帯で滋養のあるタンパク源として、板倉の先人たちは川魚を活用し食文化に育てた。荒山さんは「川魚は食材としてまだまだ可能性がある。魅力を発信し続けたい」と力強く話した。
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ㅤ「水辺の風景」は今回で終了します。太田支局の米原守、小山大輔、田中健人、桐生支局の斎藤洋一、中里圭秀、わたらせ支局の山田祐二、館林支局の霜村浩、井部友太、大泉支局の寺島努が担当しました。

【メモ】
週末には子どもがコイやドジョウと触れ合えるコーナーを設置する。営業時間はランチ(午前11時~午後3時)ディナー(午後5時~同9時)。火曜定休。問い合わせは同店(☎0276・82・0054)へ。