取手・白山神社秋祭り 傘踊り、半世紀ぶり

茨城新聞
2015年9月8日

取手市野々井の白山神社で13日に行われる祭礼前夜祭(秋祭り)で、伝統の「傘踊り」が半世紀ぶりに復活する。地元の「野々井区会和太鼓愛好会」(下田実会長)が経験者らの協力を得て当時の踊りを再現。当日は愛好会のメンバーで踊りを奉納する。2008年には、傘踊りとともに演奏される「源太囃子(ばやし)」がよみがえっており、下田さんは「いろんな方の協力のおかげ。13日が楽しみ」と話し、本番を心待ちにしている。

傘踊りは唐傘を使い、源太囃子に合わせて踊る。白山神社は718年に創建されたと伝えられ、戦前から地元の青年団に数種類のおはやしや踊りが伝えられてきたが、1965年ごろに途絶えてしまったという。

下田さんは「経験者がいらっしゃるうちに伝統を復活させたかった」と、2007年ごろから地域を歩き、当時を知る人々に協力を仰いだ。

その結果、08年に源太囃子と「大杉囃子」、「手ぬぐい踊り」、「笠踊り」が復活。地元住民を中心とした同会を立ち上げ、現在は35人ほどのメンバーで活動を続けている。

復活に当たっては、踊りの動きを「経験者が全員『これでいいよ』と言うまで確認した」(下田さん)という徹底ぶりだったが、「傘踊り」だけは指導者が見つからなかったことなどもあり、復活できなかった。今年に入り、経験者の協力を得ることができたため、約4カ月にわたって特訓を重ね、復活にこぎ着けた。

本来、源太囃子に合わせて三つの踊りが披露されていたといい、下田さんは「これで『源太』が完全復活した」と胸を張る。秋祭りでは、午後7時と8時の2回披露される予定だ。

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