ひな飾り、全て笠間焼 作陶家3人協力、20組以上展示
笠間市の作陶家3人が協力して制作した笠間焼のひな飾り展が、同市下市毛のギャラリー桜で開幕した。人形をはじめ、彩り豊かなひな台、サクラの花の絵をあしらったびょうぶなど全てが陶製で、20組以上が並ぶ。人形作りを担当した同ギャラリー経営の寺崎啓子さん(68)は「魅力的なひな飾りのセットになった。一足早い桃の節句で、たくさんの人に幸せを運びたい」と話す。
中心となる陶びなは、30年以上制作を続ける寺崎さんの新作だ。顔料を練り込んだ粘土にレース生地などで模様を付けて「衣」を作り、本体に着せて成形することでふくよかさを表現。衣は落ち着いた色で、上品さを醸している。
この人形が載るひな台は、柔らかい布地のような表面に銀など多彩な色、幾何文様の絵付けを施すのが特徴で、数々の公募展に入賞している福野道隆さん(45)が制作。背景を彩るびょうぶや小物は、黒を効果的に配色した和風の絵付けで知られる大貫博之さん(54)が作った。
今回の企画は「(自身の)陶びなに陶製の飾りを合わせてみたい。セットで見せられたらきっと楽しいはず」という寺崎さんの思いに作家仲間の2人が応え、初めて実現した。
昨年9月ごろから準備を進め、福野さんは「個性を出しつつも、人形を引き立てることを忘れず、派手にならないようにした」。12月にはそれぞれの作品を組み合わせ、20組以上のひな飾りセットが完成。大貫さんは「想像を上回る一体感で満足。(互いの個性で)相乗効果が出ている」と笑顔で語る。
展示は3月3日まで。各セットは販売も実施。休廊日は月曜(祝日の場合は火曜)。問い合わせは同ギャラリー(電)0296(72)0803。
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