世界のジャズ 写真で 吉岡にミュージアム 8日までマイルス展ライブの開催も企画

上毛新聞
2022年5月2日

 ジャズをはじめとした音楽を写真で楽しむ「ワールド・ジャズ・ミュージアム21」が群馬県吉岡町上野田に開館した。ジャズに魅了された県内外の写真家が作品を紹介。ライブも開催してジャズの奥深さを発信する。本県の新たな観光コンテンツ、伊香保温泉周辺の新レジャー施設としてもPRしていく。

 休館中の「切り絵緑の美術館」の一角に15日に開館した。発案したのは音楽写真家の菅原光博さん(73)=榛東村上野原。約10年前に本県に移住した菅原さんは、国内外で約50年間撮りためた自身の作品や、ジャズの撮影に情熱を注いだ仲間の写真を披露できる場を探していたという。

 開館企画として「モダンジャズの帝王」とも呼ばれるトランペッター、マイルス・デイビスを特集する。日本のジャズ写真界の第一人者、内藤忠行さん(81)=横浜市=の約50点を展示。内藤さんが70、80年代にマイルスの活動を追い掛けて撮影した、ライブでの躍動的な姿や控室でくつろぐ表情を収めた作品が並ぶ。

 内藤さんは、マイルスが地位を築きながらも自身のスタイルを何度も変え、進化を続けた生きざまを作品に込めたといい、「彼の心の内やジャズの起源に思いをはせ、直感で楽しんでもらえる」と話す。

 同館ではライブも開催。2日にはトランペッターのヒロ川島さんらでつくる「Sings and Plays Quartet」のライブ「チェット・ベイカーに捧げる」を開く。

 今後は、レゲエミュージシャンのボブ・マーリーや、サックスプレーヤーのジョン・コルトレーンらを特集。ギタリストや女性ジャズ奏者を集めた作品展など、企画を約1カ月単位で変えていく構想だ。

 同館の近くには伊香保温泉石段街や原美術館ARC、伊香保おもちゃと人形自動車博物館など観光施設が集まっている。菅原さんは「群馬で世界のジャズに浸ってほしい」と話す。

 マイルス・デイビス展は8日まで。入館料は千円で午前11時~午後3時(要入館予約)。火、水、木曜は休館だがゴールデンウイーク中は休館日なし。予約、問い合わせは菅原さん(電話090-6702-5964)へ。