細部に宿る祈り ひな人形作り大詰め 佐野

下野新聞
2022年1月18日

 3月3日の桃の節句を前に、佐野市植下町の人形工房「吉貞」でひな人形作りが大詰めを迎えている。

 「現代の名工」にも選ばれた会長の吉田吉貞(よしだよしてい)さん(87)と社長の哲也(てつや)さん(60)を中心に、人形作りは一つ一つが家族ぐるみでの手作業。胴体は芯材のワラに綿で肉付けし、何層も衣装を重ねていく。作業は細部にまでこだわり、200以上の工程を重ねるという。

 近年は早い時期から買い求める客も増えているといい、年末年始は繁忙期。17日も華やかな衣装を着飾った人形に頭部などを取り付け、丁寧に仕上げていった。

 吉田社長は「人形作りとともに、女の子の幸せを願ったひな祭りの歴史や文化もしっかりと伝えていきたい」と話していた。