濱田とリーチ 100年の軌跡 【負けない 新型コロナ】益子 延期した記念祭 来月開幕 企画展、イベント多彩に

下野新聞
2021年5月13日

 【益子】新型コロナウイルスの影響で開催が1年延期された「益子×セントアイヴス100年祭」が6月に開幕することが決まった。人間国宝の陶芸家濱田庄司(はまだしょうじ)と英国の陶芸家バーナード・リーチが1920年9月に英国セント・アイヴスで登り窯を築いてから100年の節目を記念したイベント。2人の足跡を貴重な作品と共に紹介する益子陶芸美術館や益子参考館の各企画展のほか、「ましこのCAFEめぐり」や「ましこ市2021」といった体験型の催しが9月まで町内各地で繰り広げられる。

 6月12日に益子陶芸美術館でオープニングセレモニーが開かれ、各イベントが始まる。リーチの芸術性などに焦点を当てた美術館の企画展「バーナード・リーチ-100年の奇跡-」(6月13日~8月22日)、濱田の作品や初公開となるリーチの絵画など約70点を展示する益子参考館の「リーチと濱田Ⅱ展」(6月12日~12月12日)が予定されている。

 「ましこのCAFEめぐり」は、濱田が好んだ英国のパイ料理「パスティ」を再現した「益子ぱぁすちー」と英国風の「クリームティー」を期間中に町内のカフェやレストランで味わえる。濱田とリーチの足跡を町内の関連施設を通じてたどる限定ツアーや、100年祭の掉尾(とうび)を飾るテント出店などの「ましこ市2021」(陶芸メッセ・益子など、9月11、12日)といった多彩な催しが用意される。

 セント・アイヴスは英国南西部の観光都市。濱田とリーチが西洋初の日本式登り窯を築き工房「リーチポタリー」を開窯したことが縁となり、2012年に町は友好都市を締結した。100年祭は昨年5~11月に町内で予定されたが、コロナ禍で延期となっていた。

 濱田の孫で100年祭事業実行委員長の濱田友緒(はまだともお)益子参考館長は「コロナ対策に努めつつ、日英の陶芸文化を再認識し次の100年へと継承する有意義な機会にしたい」と話している。

 (問)100年祭事業事務局(町観光商工課)0285・72・8846。

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