八十八夜、さしま茶摘み始まる 境

茨城新聞
2021年5月2日

立春から数えて88日目に当たる八十八夜の1日、さしま茶の産地の一つである茨城県境町内の茶園で、新茶摘みが始まった。

晴天に恵まれたこの日、茶の栽培や製造販売を手掛ける「飯田園」(同町蛇池)では、午前8時から11時ごろまで、約2・7ヘクタールの茶畑の一部で、2枚の若葉が付いた新芽(一芯二葉)約5キロを丁寧に手摘みした。最盛期は今月20日ごろまでで、2日からは販売用として機械や手で1日当たり約1トン収穫する。

さしま茶は同町と坂東市、古河市、常総市、八千代町の3市2町で生産されるブランド茶。甘みとうま味成分を高め、茶葉の緑を濃くする工夫として新芽の成長期に葉の光合成を抑えるため、お茶の木に黒色のネットをかぶせる。

8代目園主の飯田耕平さん(36)は「今年は春先が暖かったので例年よりも5日ぐらい生育が早い。茶葉もすごく柔らかく、緑も濃い」と品質に太鼓判を押した。この日、収穫した茶葉は、古河市内に本部を構える外食チェーン店が来店客に提供する「お茶の天ぷら」用として卸すほか、千葉県内で6月に開催予定のイベントで、手もみ茶実演や手もみ茶体験用として使用する。

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