《茨城いちばん》ピーマン 癖少なく生食も

茨城新聞
2018年2月11日

ビタミンCなど栄養豊富な緑黄色野菜で、食卓に欠かせないピーマン。本県は作付面積、出荷量ともに日本一を誇る。県内産の9割以上が鹿行地域で栽培され、中でも神栖市は温暖な気候と砂丘地帯の水はけの良い土壌に恵まれ、ピーマンの大産地として名高い。

県産地振興課などによると、2016年の本県の作付面積は535ヘクタール(うち神栖市は402ヘクタール)、出荷量は3万1300トン(同2万6920トン)でともに全国1位。出荷量は全国シェアの約4分の1を占める。

同市で栽培が始まったのは、戦後間もない1948~49年ごろ。進駐軍の食用野菜として米国産の品種が米軍から支給されたのがきっかけ。65年ごろから、鹿島開発による農業対策事業の推進により、生産性の高い施設園芸へ移行。ビニールハウスなどの施設整備が進み、生産技術も向上。大産地が形成された。

春と秋の2作型で栽培される同市のピーマンは、年間を通して出荷できるのが特徴。独特のにおいや苦味を持つ印象があるが、品種改良が進み、癖が少なく生で食べられる品種も増えている。

近年は、同市産ピーマンを使用した食品やスイーツも次々に生み出されている。細かく切ったピーマン入りのメンチカツ「神栖メンチ」のほか、サブレやあめなどの加工品も開発され、市特産品に認定されている。

また、生産力向上を狙った動きも進行中。JAしおさいでは、耕作放棄地を活用し、担い手育成や農業経営の安定化を図る事業が昨年始まった。新しい集出荷施設の建設も進む。 

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