星野富弘さんの作品を投影「イマーシブミュージアム」初公開 群馬・みどり市富弘美術館

上毛新聞
2026年9月5日

改修のため、昨年12月から休館していた群馬県みどり市富弘美術館のオープニングセレモニーが29日、富弘美術館で開かれ、関係者やファン150人以上が新たな門出を祝った。展示室の壁に詩画作家、故星野富弘さんの作品を投影する「イマーシブミュージアム」が初公開され、訪れた人は五感で富弘さんの世界観に浸った。

老朽化に伴い、屋根の防水工事や館内外の壁の塗り直しなどを行った。式典で須藤昭男市長は「(富弘美術館は)命の大切さや生きる喜びを来場者に伝え続けてきた。今後も草木湖畔にたたずむ市の財産として、末永く残していきたい」とあいさつ。富弘さんの妻、昌子さんや同級生の聖生清重館長らとくす玉を割ってオープンを祝った。

姉妹館の芦北町星野富弘美術館(熊本県)の館長や学芸員らも来賓として訪れ、地元のあずま小中学校の児童生徒が富弘さんの詩を朗読したり、作詞した歌を歌ったりして花を添えた。

館内では富弘さんの初の著作「愛、深き淵より。」をテーマにした企画展が開かれ、来場者は、けがを負った富弘さんが入 院中に描いた貴重な水彩画などに見入った。

企画展が終了する11月29日までの期間限定で行われるイマーシブミュージアムの上映も式典後に始まり、約10分間の映像が真っ白な壁に投影された。来場者はBGMや香りの演出を楽しみながら「あの花が好きだからこの道をゆこう」「悲しみも苦しみもあって私が私になってゆく」など、次々に浮かび上がる富弘さんの詩をかみしめるように見つめた。

ファンの飯野明子さん(62)=前橋市=は「(イマーシブミュージアムは)動きがあって作品が生きているよう。通常の展示とは別の感覚を得られた」と感じ入っていた。聖生館長は「富弘さんが亡くなっても作品は生き続け人々を励ましていく。今後も館の魅力向上に努め、次の世代に引き継いでいきたい」と述べた。

富弘さんが入院中に制作した初期の水彩画は県内に散逸しているといい、再開に合わせて市富弘美術館は情報を募っている。情報は富弘美術館(☎0277-95-6333)へ。

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