《釣り》難敵・夏のヤマメ狙う 宮城県大崎・江合川 スピードと引きが魅力

近年、ヤマメを釣るのが難しくなってきている。理由は簡単、生息数が少なくなってきているからだ。放流されたヤマメはその時だけはたくさん釣れるのだが、野生の美しいヤマメを釣るのは至難だ。7月初旬、宮城県大崎市の江合川に遠征。難敵、夏のヤマメを狙ってみた。
早朝、過去に釣り歩いた江合川の記憶にあるポイントに到着した。川にはかつての風景はなく、まるで別の川になってしまっていた。川底の石はヌルヌルと滑り、あまりきれいではない。アユになめ取られた跡がポツリポツリ見られるがその他の小魚がいる様子もない。
石をめくって餌のクロカワムシを取ると早速始めてみる。さおは8.3メートル。針に刺したクロカワムシをジワーッと流れに乗せる。やはり雑魚も触らない。狙いの瀬を一通り探ると、次の瀬まで長い平らなトロい瀬が続く。

40センチオーバーのニジマス
ようやく次の瀬まで歩いて来たが、ここもあまり期待はできそうにない。そんな時、ゴンゴン、と下品なアタリでヒット! かなりの大物だ。ヤマメか。「いただきだ、絶対逃がさないぞ」
私は細い糸でじわじわ弱らすヤマメ釣りは性に合わない。太糸で大きくさおを曲げての力勝負こそが面白さだ。疾走する銀色が見える。「やったぞ、ヤマメだ」。しかし期待もむなしく、次の瞬間、水面を割った魚体には紫が見えた。
「あ、ニジマス」
がっかりだ。ニジマスのいる川だったのだ。少々雑になったさおさばきで強引にタモ網に入れると、40センチオーバー。
野生化したニジマスはきれいなイメージがあるがこれは野良猫のようだ。やがて日が差し、どんどん水温が上がって厳しい釣りになってきた。石がきれいで水も冷たい支流を狙うことにし、短いさおを手に移動。しかし生命感に乏しいのは本流と同じだった。
水量が少ない日が続いていると見えて、両岸にびっしり草が生える中、やぶこぎで体力を奪われる。体にクモの巣がべったり付くと精神的にもめげる。思わず頭から支流のきれいな水をかぶる。これで生き返った。
やっとさおを伸ばせる地点までたどり着くと、あらかじめ本流で採ったクロカワムシを針に付けた。ヤマメは上流を向く習性があるので、上流から流れの筋に乗せて仕掛けを流す。すると早速ククッと目印が止まる。
今度こそヤマメ。小さめだが、この流れを切るスピードと強い引きが多くの釣り人を魅了する。丁寧に網に入れたのは26センチ。とても「美人」だ。今日はこれで精いっぱい。ヤマメに出合えただけで満足としよう。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)
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