波山企画展、動植物テーマ 家族ゆかりの作品も 茨城・筑西の記念館

茨城新聞
2026年5月9日

茨城県筑西市出身の陶芸家で文化勲章受章者、板谷波山(1872~1963年)の植物や動物など生き物をモチーフにした作品を紹介する企画展「煌(きら)めく生命の輝き」が、同市甲の板谷波山記念館で開かれている。「陶聖」と称された波山の魅力を探る10回シリーズのうち、折り返しの6回目。動植物への波山の柔らかなまなざしと、深い愛情が感じられる作品26点が並ぶ。同展は7月31日まで。

2024年に始まった同シリーズはこれまで、「輝く色彩の妙」「茶湯のうつわ」「青磁と白磁」などテーマを絞って展示してきた。今回は波山の人柄がにじむ「生命へのまなざし」に焦点を当てた。

同展で目を引くのは薄肉彫りでさりげない品格が漂う「白磁牡丹(ぼたん)文香炉」。藤の花が柔らかな表情で描かれた初期作品「彩磁藤文花瓶」も展示室を彩る。アールヌーボーの意匠の影響が見られる「帆立貝花瓶」や、石川県工業学校彫刻科の教師時代にお手本として作った彫刻作品「ひきがえる」なども興味深い。

このほか、波山が早世した長女・百合子さんを思い描いた「百合図」、妻・まるさん(玉蘭)による日本画作品も展示している。

波山は草花や動物を日々の暮らしの中で大切に慈しみ、子ども6人の名前全てに植物名を入れたほど。同館学芸員の滝原梨生さん(27)は「制作はストイックだが、生命に向けるまなざしは優しい。そんな人柄も作品から感じてほしい」と呼びかける。

入館料は一般210円、高校生以下無料。月曜と5月7日、7月21日は休館。関連イベントとして、5月4日には学芸員の解説を聞きながら波山の陶片に触れる催しを開催。問い合わせは同館(電)0296(25)3830。