水府提灯 斬新さに活路 創業160年 室内装飾や応援グッズ 25日、仕事体験会 水戸・鈴木茂兵衛商店 茨城

茨城新聞
2026年1月23日

茨城県水戸市の伝統工芸品「水府提灯(ちょうちん)」を手がける創業160年の老舗、鈴木茂兵衛商店(同市袴塚、鈴木紘太代表)は、生活様式の変化で需要が減る中、雲や鳥などを模した斬新なデザインでインテリアとしての可能性を開拓している。手仕事を次代に継承する取り組みの一つとして、子どもたちに水府提灯の魅力や職人の仕事に触れてもらう「すずもの仕事」を25日に同店で開く。

水府提灯は水戸藩の武士が内職で作ったのが発祥とされ、同市はちょうちんの日本三大産地に数えられる。

のり付けした骨組みと和紙をはけで密着させる職人=水戸市袴塚

最大の特徴は丈夫さ。1本の竹ひごをらせん状に巻くのが一般的だが、水府提灯は1本ずつ輪にした竹ひごを縦糸で結び合わせた骨組みで強度を高める。このため製作には約5倍の時間がかかる。

強さが重宝され、最盛期は市内に30以上の専門店が軒を連ねた。現在は同社を含む3社が伝統を紡ぐ。

同店は1865(慶応元)年の創業からちょうちんの製造と販売を手がける。潮目が変わったのは2000年代後半。盆ちょうちんの風習の変化や葬儀の縮小で需要が減ったため、伝統的な印象を覆すデザインちょうちんに活路を見いだした。

水戸出身のアーティストに依頼し、ちょうちんの畳める機能は守りながら、植物や人の横顔を模したデザインちょうちんを商品としてそろえた。個人宅や店舗のインテリアで好評という。

コロナ禍の苦境にあっても、「職人の手を止めない」との思いで新商品を送り出した。地元プロスポーツチームの応援グッズでペンライト用のちょうちんを手がけ、声出しできない観戦を支えた。

25日は5~14歳の子どもを対象に、進化を続ける郷土の伝統工芸の魅力に触れてもらう。体験メニューは、接客、デザイン、加工、取り付け-の4部門。職人らに教わり、馬をかたどった無地のちょうちんの絵付けや、家紋風のオリジナルステッカーをデザインできる。各部門500円で完全予約制。定員に達し次第締め切る。

鈴木代表は「まずは水戸の伝統工芸と知ってもらい、将来のファンや職人が育てばうれしい」と意気込んでいる。