那波多目さん日本画14点 ひたちなか市所蔵展 茨城

「那波多目功一展-ひたちなか市が生んだ日本画の巨匠-」が21日まで、茨城県ひたちなか市和田町の市役所那珂湊支所展示室で開かれている。同市出身で、日本芸術院会員、日本美術院代表理事、昨年には文化功労者にも選出された日本画家、那波多目功一さん(91)が、過去に院展に発表した150号の大作を中心に市所蔵の14点で構成している。
那波多目さんは、旧那珂湊市の生まれ。旧那珂湊一高(現那珂湊高)の在学中に院展に初入選、以後同展で作品を発表した。1990年に同院を支える立場の「同人(どうにん)」となり、2000年に日本芸術院賞受賞、02年同院会員になり、日本美術院では代表理事を務める。
展示は40~80歳代に当たる1973~2016年の作品が、おおよそ制作年順に並ぶ。ブラックやクリムトに傾倒した時代を経て、牡丹(ぼたん)の花開く光景を渋い色調の画面に構成した「富貴譜」(01年)など、円熟味を増していく作風の移り変わりがうかがえる。
同県つくば市の団体職員、石沢紀行さん(37)、会社員の友紀さん(33)夫妻は、お盆の帰省を機に会場を訪れた。友紀さんは「想像していたより作品が大きいので圧倒された」と話した。
午前9時~午後5時。入場無料。問い合わせは市生涯学習課(電)029(272)6301。