「ひよっこ」コラボ人気 認定600商品、売れ行き好調
NHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の放映を通じて舞台の一つ、県北地域が注目される中、ドラマとコラボレーションした本県の特産品が、県内外の観光客の人気を呼んでいる。地元自治体が選定した「ひよっコラボお土産セレクション」で、ひよっこをイメージした黄色いロゴマークが目印。県内道の駅や観光施設などで販売され、ドラマの盛り上がりとともに売れ行きを伸ばしている。
▽前年比5割増
老舗菓子メーカーの亀印製菓(水戸市見川町、林太一社長)は、クッキーや餅菓子などの既存4商品を「ひよっコラボ」商品として発売。中でも、どら焼きの皮の生地を乾燥させたラスク「どらスク」は売り上げが前年比5割増と好調で、「いばらきチーズクッキー」も年間売り上げ目標を既に千箱以上上回る。
池田英夫常務は「デパートなどに、ひよっこコーナーが設けられたことが売り上げを伸ばしている要因。県北地域だけでなく、県西地域などにも人気が広がっている」と喜ぶ。
ドラマ放送開始に先立ち、2月に「ひよっコラボ商品マーケティングチーム」を立ち上げ、販売戦略などを協議。4月下旬に第1弾商品としてチーズクッキーを発売し、女性や若者を中心に人気が高まった。
続いてコラボした「どらスク」も常磐自動車道中郷サービスエリア(北茨城市)や、常陸太田市、常陸大宮市の道の駅などで売り上げを伸ばす。その他のコラボ商品の餅菓子「茨城すあま」と「常陸のうつくし」も好評となっている。
池田常務は「観光客などに県北地域のみならず、茨城県全体をPRしていきたい」と意気込む。
▽2匹のひよこ
「ひよっコラボ」を展開するのは、日立、常陸太田、高萩、北茨城、常陸大宮、大子の県北6市町が県とともに設立した「茨城県北『ひよっこ』推進協議会」。ドラマ放送を契機に県北の魅力を知ってもらおうと始めた取り組みの一つが、土産セレクションだ。
豊かな里山と農村風景を背景に2匹のひよこが手をつないでいる、かわいらしいロゴマークは、「県北6市町が一つにつながる」との意味と、「たくさんの人に県北を訪れてほしい」との願いが込められた。
同社は「どらスク」の販売に当たり、通常は直径3センチのロゴマークを14・5センチに拡大し、商品パッケージのように活用する。客の目を引くのが狙いで、「まずはマークを見て、ドラマを連想してもらうことが大切」としている。
▽キャンペーンも
ドラマの注目度が高まるにつれ、「ひよっコラボ」商品も増加。認定商品数は24日現在、約600点に上る。和菓子や洋菓子のほか、干し芋やシラス、奥久慈茶、そば、農産物など内容も盛りだくさんだ。
このほか、同協議会は県北地域に足を運んでもらおうと、6市町の観光名所などを回るスタンプラリーを実施。県やJR東日本水戸支社なども、ひよっこを前面に出した夏の観光キャンペーンを展開している。
ドラマもいよいよ佳境。関係者は「舞台の一つの『奥茨城村』を探しに、県北地域を訪れてほしい」と呼び掛けた。
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