《釣り》大人気 霞ケ浦でテナガエビ狙う 「ビン、ビン」独特手応え 茨城・石岡

茨城新聞
2025年7月25日

近年、大人気のテナガエビ釣り。7月になると専用仕掛けが売り切れ、釣り具メーカーの製造が追い付かないほどという。手軽にできるというのも人気の理由だが、一番は食べておいしいからだと私はにらんでいる。淡水の釣りで獲物を食べるのは、きれいな川のアユやヤマメ、下流域ではウナギぐらい。簡単に釣れておいしいのはテナガエビだけだ。7月初旬、茨城県石岡市の霞ケ浦へテナガエビを狙いに出かけた。

石岡駅近く、茨城新聞釣果情報でおなじみの池田釣具店で仕掛けと餌のアカムシを購入。奥さんが「けっこう釣れてますよ」と好調というエリアを教えてくれた。午後2時半現地に到着した。気温は34度だ。

今回使ったテナガエビ専用仕掛け

辺りに釣り人は見えない。暗い所を好むテナガエビは本来、朝と夕方が狙い目。曇りや小雨なら日中でも釣れるというのが常識だ。太陽がギラつく日中は水中で物陰となっているポイントを探すことが重要となる。

さおを片手に湖岸を歩くこと20分。ブロックが点在する釣れそうなポイントを見つけた。さおの長さは1.8メートル。さお先に仕掛けをセットすれば準備完了。まずは餌を針に刺してブロックの隙間に入れてみる。もう1本をセットしようとすると、最初のさおにもうアタリだ!

ウキがゆっくり横へ動いていく。さおを上げようとしたら「ビクビクッ!」という感触とともに逃げられた。テナガエビは餌をハサミで捕まえ、安全でゆっくり食べられる所まで運んで食いつく。だから、ウキが動いている間にさおを上げるのは禁物。上げるのは止まってから、ゆっくり上げるのが正解だったのだ。

消波ブロックなどで日陰になる場所がポイントだ

再び餌を刺して投げ入れ、2本目のさおを準備。またウキが動く。今度はさおのセットが終わるまで待つ。2本目に餌を刺し、隣に放り込んだ後、1本目を上げてみるとずっしり重い。

「ビン、ビン!」とエビ独特の手応えとともに上がってきたのは真っ黒いオスだ。1匹目からなかなかのサイズで驚きだ。そうこうするうち2本目もいい頃合いで、さおを握るとこちらも大型の手応え。

エビの釣り場は川の中下流域か沼や池など。釣れるエビは同じ種だが、川の方が一回り大きく、霞ケ浦のエビは小型。だが、今年のオスはどうやら大きいぞ。

続けてどんどん釣れて針を外したり餌を付けたり大忙しだ。メスは例年並みの大きさ、おなかいっぱいに卵を抱えている。およそ90分で30匹以上釣り上げた。薄く水を張ってしばらくエビを泳がせ、背ワタの内容物を出させた後、水から上げて素揚げで塩を一振り。これが最高にうまい。皆さんもぜひキャッチ・アンド・イートに挑戦してほしい。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)