奈良・平安の貨幣展示 古河の資料館 出土品を紹介 茨城

茨城新聞
2025年5月2日

茨城県古河市山田地区の「東の門(かど)西の門城跡」の発掘調査を紹介する「発掘された古河」展が同市仁連の三和資料館で開かれている。県内では出土例が少ない奈良、平安時代の貨幣「皇朝十二銭」などの貴重な資料が展示されている。

県の土地改良事業に伴い、同市教育委員会が2019年から25年3月まで7次にわたって調査を進めてきた。同市教委によると、遺跡の名前は地元の小字にちなみ、「山田城」という城館の言い伝えもある。

これまでの調査で弥生時代から中世までの長い時代にわたる集落・城館跡と分かり、旧石器時代の石器をはじめ、土師(はじ)器や須恵器、陶磁器、金属製品など、さまざまな遺物が出土した。遺跡名に関係すると思われる堀の跡も確認された。

出土品の中でも珍しいのが、皇朝十二銭のうち平安時代の818(弘仁9)年から鋳造された「富寿神宝(ふじゅしんぽう)」で、遺跡から2枚見つかった。学芸員の峯照男さんは「畿内を中心に流通した貨幣で、地域の歴史や文化を考える上で重要な手がかりになる」と話した。

会期は6月1日まで。入場無料。問い合わせは同資料館(電)0280(75)1511。