戦後支えた旧制太田中卒業生 外交と工学、4人業績紹介 常陸太田・郷土資料館企画展 茨城
明治末から大正初期に旧制茨城県立太田中(現県立太田一高)を卒業した4人が戦後日本で果たした役割を再評価する企画展「戦後日本を支えた旧制太田中の4人」が、同県常陸太田市西二町の市郷土資料館で開かれている。外交官2人と文化功労者2人の計4人の業績を振り返り、プロフィルやエピソード、ゆかりの品を紹介している。
展示は「吉田茂首相から信頼された外交官」の山形清(1893~1991年)と「占領軍の三布告に堂々と反論した外交官」の鈴木九萬(ただかつ)(1895~1987年)。文化功労者で「日本における電子工学の先駆者」の渡辺寧(やすし)(1896~1976年)と、「日本の水力機械工学を世界レベルに高めた科学者」の沼知福三郎(1898~1982年)。
5年の間に同校を卒業した4人の、あまり知られていない戦後日本を支える活躍や、草創期の旧制太田中の実像、彼らに影響を与えた塚原末吉校長も紹介している。会場には同校の学籍簿や山形清に宛てた吉田茂首相からの書簡、鈴木九萬の日記をはじめ、勲章や写真など遺族や関係者などから借りた資料などを展示している。
市村真一館長は「旧制太田中には県北地域から優秀な子どもたちが集まってきていた。あまり知られていない卒業生の活躍ぶりを少しでも知ってもらえれば」と話している。
同展は12月22日まで。入館無料。問い合わせは同館(電)0294(72)3201。