「飲食禁止だと思っていた」 富岡製糸場でキッチンカー出店始まる 群馬・富岡市

上毛新聞
2024年10月13日

世界遺産の富岡製糸場(群馬県富岡市)へのキッチンカーなどの出店を認める試行的な取り組みが始まった。市内の3店舗がクレープやベーグルを販売し、来場者が食事を楽しんだ。

首長館南側にキッチンカーが並び、近くにテーブルが設けられた。茨城県から訪れた会社員の佐藤清勝さん(51)は「飲食禁止だと思っていた ので意外だった。食べられる場所があるのは良いと思う」と好意的に受け止めた。出店したイタリア料理店「イル・ピーノ」の馬場俊人店主(51)は「お店に来てくれる地元のお客さんが製糸場に足を向けるきっかけになれば」と期待を込めた。

製糸場を管理する市が、27日までの土日祝日の計9日間を試行期間として出店者を募った。市内外の18事業者から応募があり、各日2、3店舗が軽食や酒類を提供する。市は利用状況を踏まえて本格実施を検討する。

製糸場では文化財保護のため、保存整備が終わった西置繭所多目的ホールを除いて原則的に食事を禁じてきた。市は食事の提供が来場者の満足度向上につながるとみており、本格実施に移行すれば、同ホールに続いて2カ所目の食事可能エリアとなる。