カジキで大洗活性化 博物館27日オープン

茨城新聞
2017年5月10日

国内有数のカジキ漁場とされる大洗町に27日、「大洗カジキミュージアム」がオープンする。模型の展示を通してカジキに親しんでもらうほか、軽食を出して釣り人の憩いの場として活用。このほか、子ども食堂を併設したり、学習支援を手掛けたりと、釣り人だけにとどまらない地域のコミュニティーとしての機能を持たせる。運営を担う同町の「大洗海の童(わらべ)」(金成和彦代表)は「これを機に『カジキの宝庫』としての知名度が高まれば」と期待する。

同ミュージアムは、同町磯浜町にある髭釜商店街の一角、旧・関東つくば銀行の建物を活用。毎週水曜日を定休日とし、営業時間は午前10時~午後6時。入館は無料で、ドリンクを100円、軽食は200円で提供する。

建物は2階建てで敷地面積は約400平方メートル。建物前にはシンボルとして高さ4メートルほどのカジキモニュメントを置く。1階は日本近海に生息する全6種類のカジキの模型を説明文を添えて展示。2階には歓談を楽しむサロンやゲストルーム7室を用意し、釣り人らに安らぎを提供する。このほか、月1回程度の開催を目指す子ども食堂を1階に、学習スペースを2階に設置し、子どもたちに居場所を提供するとともに、大洗の海に親しんでもらう。

大洗沖にはクロカジキやマカジキが生息するが、漁業者以外の釣りは通常認められておらず、県から特別採捕許可を受けた上で7~9月の土日に限って釣りが可能となる。このため、地元の人でも「カジキのまち」のイメージは広まっていなかった。

自身も大洗で30年以上にわたり、カジキ釣りを続けてきた金成代表(59)は「大洗は世界一のカジキ漁場で他県からも多くの釣り人が来るが、一部の愛好家を除いて知られていない。ミュージアムの設立を通して大洗が活性化すれば」と設立の狙いを語り、「『知る人ぞ知る漁場』の知名度を上げるとともに、子どもたちに地元に関心を持ってほしい」と意気込む。

オープンは27日午後1時から。

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