キャンプ場100区画、カフェ、イベント広場… 群馬・前橋市の県立赤城公園 来年度オープン予定

上毛新聞
2024年7月12日

群馬県立赤城公園(前橋市)活性化に向けた整備で、県は中核2施設の概要を公表した。大沼湖畔の新キャンプ場「大沼(おの)キャンプフィールド」は現在の7倍超に当たる100区画を用意し、犬と遊んだり、コンテナ内で宿泊できる場所も作る。現ビジターセンター駐車場に新設する「赤城ランドステーション」は観光案内所やカフェを置き、「買う、遊ぶ、食べる」がそろった周遊拠点とする。いずれも来年度に開設予定。自然豊かな赤城の魅力を生かして観光客らを呼び込み、新キャンプ場は現在の9倍超の年間3万5000人、同ステーションは2倍近い同10万人の利用を目指す。

赤城ランドステーション(下)のイメージ図(県提供)

新キャンプ場はテント用の敷地が区切られた「区画サイト」70区画、区切りがなく自由に張れる「フリーサイト」17区画分、木の柵に囲われて愛犬と遊べる「ドッグサイト」8区画、コンテナ内で宿泊できる「トレーラーハウス」5区画の4種類で、いずれも有料を想定している。トイレやシャワーを備えるサニタリー棟、受付や物品販売を行う管理棟もある。

県によると、敷地面積は6万3652平方メートル。民間企業の福利厚生施設団地などがあった土地を有効活用する。近くにある現在の無料キャンプ場は14区画で、2022年度の利用者は3806人だった。新キャンプ場の開業に伴い、本年度で閉鎖する。

同ステーションは大沼や小沼、覚満淵など赤城の自然を周遊する拠点施設と位置付ける。Wi―Fi環境を完備したコワーキングスペース、ショップ、会議室、トイレなども設ける。施設前に広がる旧スキー場はイベント広場として貸し出す。現ビジターセンターの22年度の利用者はトイレ利用を中心に5万7264人。開業から40年が経過して建物も老朽化しており、ステーション完成後に取り壊して駐車場にする予定。

総事業費は約32億円。そのうち約5億円は国のデジタル田園都市国家構想交付金を活用する。整備の基本構想はアウトドア用品大手「スノーピーク」の子会社が手がけた。県は「赤城の自然保護と利活用を図り、幅広い世代が集う魅力的な場にしたい」としている。

両施設の指定管理者を9月9日まで募集している。指定管理期間は25年度から10年間。7月31日に現地説明会を実施する。