愛犬の服作り教室 傷口保護、体温調節に有効 協会認定講師・渡辺さん 茨城・古河
茨城県古河市出身の渡辺麗子さん(54)=埼玉県さいたま市在住=が、愛犬に着せる服作りの教室を古河市内で開講した。日本ペット服手作り協会(大阪府)の認定講師が指導する教室は県内で初めてという。渡辺さんは「一針一針愛情込めて手作りすることで、愛犬との絆を強めるきっかけにしてほしい」と話している。
渡辺さんが犬の服作りを始めたのは13年前。動物病院の看護師として働いていた経験があり、病気の犬に急ごしらえで術後服を作る機会もあったため、服作りにはかねて興味があったという。自ら小型犬を飼っており、市販の書籍などを参考に服作りを始めた。2018年には協会の「ドッグウェアクリエイター認定講師」を取得。現在、さいたま市を中心に複数の教室を運営している。
渡辺さんは「犬に洋服を着せるのは、着飾ってかわいく見せたいという理由だけではない」と強調する。傷口の保護や抜け毛対策、体温調整にも服の着用が有効だ。室内犬が増えたことで、暑さや寒さに弱い犬が増え、寿命が延びて高齢犬が増えたことで、犬服の需要が高まっているという。
排せつ行為のマーキングを防ぐためにも外出先での「マナーパンツ」は必須とし、「犬服は人と犬が共存するために必要なアイテム」と訴える。市販品も多数販売されているが、「同じ犬種でも個体差が大きく、愛犬に合ったサイズ選びは非常に難しい」と指摘する。講座で使用する型紙も犬種や体の大きさに合わせ、22種類のサイズを用意しており、着丈と首回り、胴回りの3点を測れば、愛犬にぴったり合う服を作ることが可能だ。
古河市内で昨年12月に開いた入門講座(全3回)は、毎回Tシャツなど1着をミシンなどを使って約4時間で完成させた。帰宅後すぐに愛犬に着せられる点が好評で、針や糸、はさみなど基本的な裁縫道具があれば、ミシンがなくても受講可能だ。「犬の服作りの教室はニーズがあるのに教える人が足りない」と、後進の育成にも力を注ぐ。古河市の教室は月1回程度開催する。問い合わせは渡辺さん(電)090(3420)4113。