観光施設整備へ予算案 息栖神社周辺 25年開業目指す 茨城・神栖市

茨城新聞
2023年12月12日

茨城県神栖市の息栖神社周辺のにぎわい創出に向け、市は拠点となる観光施設の整備費を盛り込んだ2023年度補正予算案を市議会定例会に提案。石田進市長は「神栖市の魅力をPRして、市民の誇りとなる施設にしたい」と意気込む。

同神社は、鹿島神宮(同県鹿嶋市)、香取神宮(千葉県香取市)とともに東国三社の一つだが、これまで観光客は必ずしも多くなかった。このため、市は拠点となる施設や駐車場を含めて周辺の整備が必要とし、にぎわいづくり事業の計画を進めてきた。

息栖神社周辺のにぎわい拠点施設整備予定地。奥が息栖神社=神栖市息栖

 

拠点施設は、市が買い取った老舗旅館「柏屋」の跡地を活用。敷地面積は1073.48平方メートル。建物は木造2階建てで延床面積は688.76平方メートル。1階は市の特産品や農水産物の販売と、市の魅力や観光地の案内スペース、カフェなどを設置する計画。2階は飲食店が入る予定で、テラスを設け、常陸利根川を望みながら、きれいな夕日を楽しめるようにする構想だ。

予算額は6億5508万3000円で、このうち施設建設工事費の半額に当たる3億1484万2000円は国のデジタル田園都市構想交付金(地方創生拠点整備タイプ)を活用する。同交付金を活用するには、建物本体工事を24年度内に完了させる必要があるため、23年度補正予算案に組み込んだ。

補正予算案が議決されれば年度内に事業者を決定し、24年4月着工を目指す。施設運営は指定管理者を想定。内装や商品棚などについては指定管理者の意向を反映できるよう24年度に設計に入り、25年度の施工を予定。順調にいけば施設オープンは25年9月となる。

このほか、市は拠点施設に面した市道を24年度中に石畳風舗装に整備する。さらに南西側の船だまりの景観も整え、公園のような憩いの場にし、近くにはイベント広場にも活用できる約1000平方メートルの駐車場を整備する。将来的には国が整備する常陸利根川の船着き場に桟橋を設置し、川を活用した東国三社参りの観光ルートづくりを推進する。