「観光パスポート」発行 景品で県内周遊促す 宿泊や体験でポイント 群馬県予算案内示 

上毛新聞
2017年2月9日

 

群馬県内への観光誘客を強化するため、県は新年度、県内の宿泊施設や観光体験施設を利用することでポイントがたまり、県産品などが当たる「周遊観光パスポート」を発行する。宿泊と有料体験を対象とすることで、滞在時間を延ばすとともに観光消費額を底上げし、県内全体の活性化を目指す。
2017年度一般会計当初予算案に3500万円を計上した。
旅館やホテルでの宿泊のほか、ラフティング、スキー、果物狩り、工芸といった有料の体験をした人にポイント(スタンプ)を付与する。訪問した地域の数など、決められた条件を達成するごとに景品が当たる抽選に応募できるようにし、県内各地を周遊してもらう仕掛けにする。
ポイント付与の対象施設は500カ所程度を見込む。パスポートはスマートフォン向けアプリと紙媒体の2種類を発行するが、年代や性別、訪れた場所など、観光施策の立案に役立つデータを収集・解析しやすいことから、アプリでの利用を促す考え。
群馬県の観光客数・消費額調査(推計)によると、観光客数に占める宿泊客数の割合はここ数年、12%台で推移していたが、15年は11・8%に低下した。群馬プレミアム宿泊券が発行されたプラス要因を除くとさらに減少した可能性がある。
県によると、同様のパスポートは栃木や高知、福岡県などが導入。栃木県は14年からの累計で40万冊を発行したという。

 
◎魅力ある土産開発 工芸品や食 コンテスト 県民がネット投票
群馬県は新年度、本県を代表する土産物の開発を目指す県民参加型のコンテストを開催する。食や土産物に関する満足度が低いとされる中、県民の意見を取り入れながら「これぞ、ぐんまの土産」と言える品を決め、全国にアピールしていく。
民間の調査研究機関が2014年度に実施した宿泊旅行調査で、本県は「魅力のある特産品や土産物が多かった」の項目が都道府県別で43位と低迷。県観光振興計画は19年の観光消費額を14年比4・1%増の1920億円とする目標を掲げており、観光客にアピールできる土産物の開発で消費につなげる。
コンテストは工芸品や食べ物など複数の部門で行う予定。1次審査でインターネット投票や試食する機会を設け、県民に投票してもらう。2次で専門家らが審査し、決定する。
県観光物産課は「地域の商品を発掘し、県民に参加してもらって幅広いコンテストにしたい」としている。
17年度一般会計当初予算案に400万円を計上した。

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