《上野三碑「世界の記憶」候補》韓国木簡学会 上野三碑を視察、調査 古代の交流、価値確認

上毛新聞
2017年1月26日

古代の日本と韓国の関わりを調査するため、韓国の学者らでつくる韓国木簡学会が2月6日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」の登録を目指す「上野三碑」(山上碑、多胡碑、金井沢碑)を視察する。朝鮮半島の石碑文化の影響を受けた三碑について県内の研究者から説明を受け、東アジアの人と文化の交流を示す石碑群の普遍的な価値を確認する。今後、国際的な共同研究に発展する可能性があり、本県関係者らは三碑の魅力発信につながるとして視察の成果に期待を寄せている。
学会は木簡や石碑などに刻まれた古代文字の解析や研究を行う団体で、考古学や古代史、古代語などの研究者が所属。研究者21人が10日までの日程で来日し、本県や長野県などの遺跡や寺を訪れる。
学会から依頼を受けた上智大国文学科の瀬間正之教授(高崎市)が視察内容を調整した。一行は6日に瀬間教授や県立女子大の熊倉浩靖教授、県文化振興課員らの案内で三碑を巡った後、市内で本県関係者らとの情報交換会に臨む。
三碑はいずれも国特別史跡で、7~8世紀に建立された。山上碑(681年)は完全な形で残る国内最古の石碑とされ、僧が亡き母のために建てたことが刻まれている。上毛かるたに詠まれる多胡碑(711年)は新たな郡の設置が記され、金井沢碑(726年)は先祖供養のための一族の結束が記録されている。
三碑の中でも山上碑は漢文と異なる日本語の語順通りに漢字を配してあるが、古代韓国の新羅の金石文や木簡からも同様の書き方が見られるといい、古代語の専門家による視察により、新たな発見も期待されている。
学会の新会長に今年就任した早稲田大の李成市(イソンシ)教授は学会の国際化を目標に掲げ、石碑文化などでつながる日本や中国との共同研究を本格化させる意向を示しており、瀬間教授は「上野三碑は最適の研究材料。日韓関係にきしみが生じる中、外交問題を超えて、学術的な面から交流が深まってほしい」と期待している。
学会の視察について県文化振興課は「上野三碑を含めた本県の東国文化の価値や魅力を海外に知ってもらう良い機会。今後もさまざまな形で協力していきたい」としている

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