ロッキン 2024年9月、茨城・ひたちなかで5日間開催 地元「大変うれしい」「できるだけ支援」

茨城新聞
2023年8月11日

国内最大規模の野外音楽イベント「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」の事務局は10日、2024年9月に計5日間、茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園で開催すると正式に発表した。通称「ロッキン」は毎年夏に同市で開かれていたが、2022年から千葉市に会場を移していた。ひたちなか市での開催は5年ぶりとなる。

24年はロッキン25周年を記念し、8月に千葉市で開催した後、9月14、15日と21~23日の計5日間、ひたちなか市で開く。

ひたちなか市は24年、市制30周年を迎える。大谷明市長は「記念すべき節目に開催されることは大変うれしい」と歓迎。大井川和彦知事は「県にとっても地域にとっても大変喜ばしい。記念すべき25周年開催を盛り上げられるよう、できるだけの支援をしていく」とコメントした。

新型コロナ禍前の19年、ひたち海浜公園で開催された際は計7ステージが設けられた。24年は7万人規模を収容するグラスステージに絞って開く予定。

ロッキンは00年8月、同公園を会場に始まり、大物アーティストら200組以上が毎年出演。19年は5日間で延べ約33万7千人が来場した。20年から2年間、新型コロナ感染拡大の影響で中止となり、22年からは千葉市に会場を移した。

同公園では、22年夏からロッキンの代わりとなる音楽イベント「ラッキーフェス」が開かれている。主催者は10日、24年も7月に3日間の日程で開催すると改めて示した。

【写真説明】国営ひたち海浜公園で来年9月、5年ぶりに開かれることが決まった「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」=ひたちなか市馬渡(2017年8月撮影)

■地元歓迎「おかえり」

5年ぶりに戻ってくる「ロッキン」。地元関係者からは「おかえり」「地域活性化につながる」など喜びの声が相次いだ。

ひたちなかの夏の風物詩だった同フェス。2019年までの開催期間中は「ROCK」とプリントされたTシャツ姿の若者が、まちのにぎわい創出に一役買っていた。

ロック・イン・ジャパン・フェスティバルを象徴するJR勝田駅東口前のオブジェ=ひたちなか市勝田中央

 

5年ぶりの開催について、多くのファンが訪れていたご当地グルメ「スタミナラーメン」発祥の「中華大進」(同市元町)の川崎正悟さん(74)は「再び多くの人に味わってほしい」と期待。「コロナ禍で苦労した飲食店の売り上げ増にもつながるのではないか」と声を弾ませる。

フェス期間中は市内で宿泊予約を取るのが難しく、ホテルや旅館は毎年のように満室だった。

同市阿字ケ浦町の旅館「阿字ケ浦クラブ」の黒沢広忠支配人(60)は「以前泊まってくれた人たちとの再会を心待ちにしている」と話す。フェスは来年が25周年という節目に当たるため同公園に戻ってくるが、「25年以降もひたちなかで開催されるよう機運醸成に努めたい」と意気込む。

同県大洗町にも多くのフェス参加者が滞在。割烹(かっぽう)旅館「肴屋本店」の大里明さん(46)は「参加者は確実に部屋を埋めてくれる。ロッキンが戻ってくれるのはありがたい」と語った。

市観光協会の海野泰司会長は、幅広い産業にもたらす経済効果を挙げながら、「多くの若い人たちが戻ってくると思うとうれしい。地元としておもてなしの心で迎えたい」と話した。