北茨城 「辞世の詩」読みしのぶ 天心の命日 顕彰会が墓参

茨城新聞
2016年9月3日

近代美術の発展に大きな足跡を残した岡倉天心(1863~1913年)をしのぶ「天心忌」が命日の2日、天心の墓所(北茨城市大津町五浦)で営まれた。「五浦日本美術院岡倉天心偉績顕彰会」の会員ら約40人が線香や白菊を手向け、天心の遺徳に思いをはせた。

天心の墓所は、六角堂や旧天心邸が立つ場所から数十メートルほど離れた所に位置し、天心が埋葬された東京の染井墓地から分骨・埋葬された。参加者は、墓前で天心作の漢詩「五浦即事」を吟じたほか、天心の辞世の詩「戒告」を朗読。その後、静かに手を合わせて先人の偉業をたたえた。

顕彰会の桂木なおこ副会長は「五浦は天心が再生し、エネルギーに満ちた場所。海の声、松の音、潮の香りを感じながら墓参できた」と話した。10月29、30の両日は同顕彰会が中心となり、天心の業績をたたえる全国サミットを北茨城市内で開く。

このほか、今月3、4の両日には、茨城大学などが主催する「茨城大学 国際岡倉天心シンポジウム2016」(北茨城市・茨城新聞社共催)を開催。3日はホテルレイクビュー水戸(水戸市宮町)で記念講演やパネルディスカッションなどが行われ、4日は北茨城の旧天心邸で珈琲茶席、五浦観光ホテル別館大観荘でミニコンサート「天心オペラ『白狐』」などが行われる。

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