明治のれんが窯公開 栃木・野木 交流センターも付随

茨城新聞
2016年5月11日

 栃木県野木町で、明治時代のれんが窯=国指定重要文化財=と付随施設の交流センターを備えた「野木町煉瓦(れんが)窯」(同町野木)が修復工事を終え、一般公開を始めた。近代の洋風建築を支えたれんが生産の歴史と産業遺構、施設西側に広がる渡良瀬遊水地の自然を解説する二つの展示室(各28平方メートル)が設けられ、子どもたちの社会教育や地域観光の拠点として役割が期待されている。

煉瓦窯は1890(明治23)年に完成し、火入れされた赤れんが製造用の窯。高さ34・6メートル、直径33メートルのれんが造りの構造物で、最盛期には月当たりれんが約40万個を生産。同窯産のれんがは東京駅舎にも使われたとみられている。

老朽化や耐震化対策のために2011年7月から続けられた工事は、15年9月に完了した。

窯の西に造られた交流センターは鉄骨平屋で延べ床面積522平方メートル。研修室やカフェレストランも備えられている。

10日開かれた開設式典には、栃木県や文化庁、菅谷憲一郎古河市長を含む周辺自治体の関係者ら約250人が出席。真瀬宏子野木町長は「わが国の近代化遺産として将来にわたり保存し、利活用しながら、未来を担う子どもたちに引き継いでいく」と式辞を述べた。

入場料は高校生以上が100円。問い合わせは交流センター(電)0280(33)6667

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