清水橘村描くミュージカル 小美玉に縁、詩人の生涯 来月2日公演
小美玉市ゆかりの詩人、清水(しみず)橘村(きっそん)(1879~1965年)を題材にしたミュージカル「かぜにうたえば」の公演に向け、同市の「みの~れ住民劇団 演劇ファミリーMyu(みゅう)」が練習に励んでいる。貧困や挫折など波乱に満ちた生涯を送りながらも、故郷を思い困難に立ち向かう物語。同劇団は「生きるか死ぬかの苦しみも丁寧に描いた。実在の人物の人生を、どんな世代にも楽しめるように演じたい」と話す。
清水橘村は水戸市生まれで、幼少期に東茨城郡橘村(現在の小美玉市)に移住した。小学校を中退し、貧苦の中、独学で詩を学ぶ。第一詩集「野人」などを次々刊行。島崎藤村や野口雨情らに評価されたが、横瀬夜雨(やう)の詩集「夕月」を改ざんしたと疑われ、詩壇から去った。後半生は歴史や刀剣の研究などで名を残している。
同作は2013年以来、2回目の公演で、役者も一新した。仲間から追及される苦悩のほか、橘村の作品からうかがえる望郷の念や、未来への希望などが演じられる。郷土文学を研究する、茨城女子短期大学長の小野孝尚さんが監修している。
子どもの役者も多く出演し、熱演を見せる。橘村の幼少期を演じる松岡穂野花さん(12)は「はっきり動きをつけて演技をしたい」、同じく出演者の国分美空(みく)さん(12)は「ダンスが楽しい。細部まで頑張りたい」とそれぞれ話した。
本番は4月2日午前11時から、同市部室の小美玉市四季文化館みの~れで開演する。入場無料だが、入場整理券が必要。電話予約など問い合わせは同館(電)0299(48)4466。
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