工女姿で世界遺産散策 着付け体験で観光集客 富岡
群馬県富岡市の世界文化遺産、富岡製糸場を中心とした町中散策をより楽しんでもらうため、市観光協会(武井哲郎会長)は1日から、着付け体験事業を始めた。1人1日当たり5千円で着物と袴をレンタルすることができ、明治期の風情が残る街並みを工女姿で周遊観光できる。
花柄や幾何学模様といった鮮やかな15種類の柄の中から上着を選び、紺、えんじ、オリーブ色など6種類ほど用意する袴と組み合わせる。内側に着る長じゅばんや足袋、草履、バッグ類もセットで貸し出す。
同市富岡の着物販売業「あさや呉服店」が協力。同店で午前10時から着付けを受け付け、散策後は午後4時半までに同店に戻る。料金には着付け代も含まれる。
官営工場として1872年に開業した製糸場には、働きながら繰糸技術を学ぶ「伝習工女」が、明治政府によって全国から集められた。彼女らを街の人たちは「工女さん」と呼び、親しんでいたという。工女の姿で製糸場を見学し、市中を歩くことで富岡の歴史をより深く感じてもらおうと、同協会が企画した。
協会の担当者は「衣装で非日常感が高まる。タイムスリップ感覚で楽しんで、たくさん写真を撮ってほしい」と呼びかけている。
1日当たり最大10人が利用できる。予約、問い合わせは同店(☎0274-63-4311)へ。