ヨーグルト飲料こだわりコラボ ミルク工房もりや 第1弾は鉾田産イチゴ

茨城新聞
2020年5月21日

 地元産生乳で新鮮な乳製品を届けようと、ヨーグルト飲料の生産に取り組む「ミルク工房もりや」(守谷市立沢、杉原利昭社長)がイチゴなど県内産の素材とコラボした商品の開発を進めている。第1弾として発売したのはイチゴ農家「新堀農園」(鉾田市鳥栖)のイチゴを使用したヨーグルト飲料「のむヨーグルトいちご入り」。同社は「他地域の人々とも連携し、これからも積極的に商品開発をしていきたい」と意気込む。
 
 同社は、旧満州(中国東北部)から引き揚げて入植した人々による大八洲(おおやしま)開拓農業協同組合(守谷市板戸井)が2002年に設立。地域活性化を狙いに、地元酪農家の生産した生乳による乳製品を販売してきた。牛乳は学校給食にも提供していたが、東日本大震災などの影響で牛乳製造が厳しくなり、現在はヨーグルト飲料とレアチーズケーキタルトを販売する。
 
 19年5月に中川商事(土浦市真鍋)のグループ会社となり、新商品開発がスタート。3月末から、「みずほの村市場」(つくば市柳橋)や「いなのすけ市場」(稲敷市柴崎)、「かすみの里」(阿見町追原)の各農産物直売所で試験販売している。サイズは150ミリリットル入りと500ミリリットル入りの2種類。今後は食品スーパーやふるさと納税の返礼品などとして販売先を広げていく。
 
 長塚武工房長は「使うイチゴによって全体の味は変わる。農園こだわりのイチゴの味を大切に、酸味と甘みのバランスが良い味を目指した」。同農園が特別な方法で急速冷凍したイチゴを丸ごと使用することで、果汁やシロップは使っていない。素材のロスがほぼないのも魅力だ。同農園の新堀英巳代表は「冷凍加工品の販路開拓を見据えたタイミングだった。イチゴそのものを生かした商品となりうれしい」と話す。
 
 今後は筑西市産イチゴを使ったヨーグルト飲料や、今夏ごろには田中酒造(取手市取手)と連携して開発したヨーグルトリキュールを発売予定だ。
 
 木村義雄事業推進部長は「生乳を90%以上を使用して時間をかけて熟成。自然の甘さを引き出すなど製法にこだわってきた」とし、「こだわりを持つ県内産品とコラボし、地域活性化につながる取り組みをすることが工房の進む道」と先を見据えた。

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