欧州の知恵と愛情込め 【味わい百景 わがまちの逸品グルメ】(81)カリンシロップ 

下野新聞
2020年1月29日

 店主の小林(こばやし)ピアさん(60)の出身地はオーストリアのチロル地方。店で作るジャムや蜜、ピクルス、シロップ、ハーブのペーストなど、年間50種以上も生み出される製品には、欧州人の知恵と家族や食べる人を思う愛情が込められている。

 里山と牧草地が交錯する穏やかな丘陵地のまっただ中にある自宅は敷地が約9千平方メートルあり、材料の野菜や果物を農薬や化学肥料を使わず全てほとんど1人で作る。添加物も一切使わない。「全部1人だから大変」と屈託ない。

 「カリンシロップ」(税込み1550円)はこの時季のお薦め。「風邪の予防にもなるので、お母さんたちがたくさん買ってくれる」と笑顔のピアさん。

 カリンにユズ、ワインを加えて圧力鍋で煮て、寝かせて絞って砂糖を加えてまた煮て…。2日かかる。自宅ショップ隣の工房でどの商品もそんな手間をかけ、テンサイ糖やキビ砂糖など材料も吟味して作られる。

 「取れただけ、できただけ」だから、どの品も売り切れたら翌年を楽しみに待つほかない。

 【メモ】市貝町田野辺1003▽営業時間 毎週水曜午後1~5時。製品は道の駅サシバの里いちかい、道の駅ましこでも販売▽(問)0285・68・4432。フェイスブックやブログも。

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