《釣り》大津港でアナゴ狙い 潮の動き見逃さず 北茨城

私は茨城県大子町で飲食店を開いている。5月の大型連休は大忙しで釣りに行っている暇などないのだ。やっとその忙しさも落ち着いた8日、久しぶりにさおを手に、同県北茨城市の大津港へ出かけた。ジグサビキでアジを狙ったが、途中からアナゴにターゲットを変更することに。果たしてその結果は-。
大子町から車で1時間半、道すがら釣具店で青イソメを買い、大津港に着いたのは午後3時ごろだった。

丸ごと1匹アナゴ天丼、堪能しました
今日の狙いはアジ。港の中を回遊しているのをジグサビキで釣ってやろうという腹づもりだ。釣れなかったら夜は虫ヘッドで五目狙い-という予定だ。
人気の大津港南側堤防だが、平日の昼下がりということもあって釣り客はパラパラ。どんな魚が釣れているのだろうかと見て回ったが、どうやらあまり釣れていないようだ。
堤防のちょうど中ほどに立って港の内側へ20グラムのジグを遠投して探ってみる。水深は8~9メートル。さおを高く構え、ゆっくり巻いてきてはストップしてジグを底まで落とし、またゆっくり巻く-を繰り返した。

今回持参した仕掛け
そのうち回遊しているアジの群れに当たればサビキにヒットしてくるはずだ。しかし、たまに釣れてくれるのはサッパとウルメイワシばかり。イワシは針の数だけ釣れるので面白い。
そのうちアジもヒットするだろう。夕方になればカマスも釣れるかもしれない。そう思い、諦めず投げ続けたがなかなか釣れない。しばらくすると投げ釣りの人にアナゴがかかった。
様子をうかがうと連続で釣れた。しかも丸ごと天ぷら向きの「めそっ子」サイズ。これはごちそうだ。慌てて車に道具を取りに行き、さおにセットした。
青イソメを餌に海中に投げ入れてアタリを待つ。しかし甘くはなかった。たまに底をズルズルと引いて誘いをかけてみるが、なかなか釣れず2~3回餌交換した頃にはもう暗くなりかけていた。
港から漁船が出ていくとその波で潮が一時的に動く。この好機に釣れなかったらジグサビキに戻そう。カマスのワンチャンスがあるかもしれない。そう思っていたら待望のアタリ!
しっかり食い込むまで待つか、いや、もうしっかりかかってるアタリだ。「よーし、巻け巻け! アナゴの天ぷらがかかってるぞ!」と声が出る。
釣り上げたのは狙い通りアナゴ。さっきの人が釣ったものより少し細めだが、狙い通り釣れてこそのうれしさだ。最後にもう一度仕掛けを投げ込むともう1匹来た。もう今夜はいいや。カマスも今日は見逃してやろう。アナゴ天丼を思い浮かべながら帰り支度を急いだ。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)