《釣り》トラフグ 千葉・内房で狙う 悪天候も3キロの良型 重りの色変えアタリ

茨城新聞
2025年4月26日

フグ類でも最高級とされているトラフグをおなかいっぱい食べたい-。そんな方々に向け、千葉県鋸南町・勝山港の萬栄丸に乗り、内房の海で狙うトラフグ釣りをリポートする。

平日の午前4時というのに、港はお祭りかと思うほどの釣り人だかり。改めてトラフグ人気がうかがえる。午前5時出船。ポイントまでは約30分。水深は90メートルと深く、電動リールを持参して正解だった。

まずは道具。さおは専用ざおが各メーカーから出始めたが、カワハギざお、タチウオざおなどの先調子を使うことが多い。私は調子が似ているエギタコ用をチョイス。

トラフグの精巣部分「白子」

リールは小型両軸を使う人もいるが、水深100メートルにもなるので電動リールがいい。ラインはPEの2号以下で、釣り船指定。そこにリーダーとしてフロロラインの6号を約3メートル使う。

専用の仕掛けが市販されているが、フグ人気のあおりで現状は入手しにくいため、自作する人も多い。作り方は簡単で、30号の重り(上部と下部にラインを結ぶアイ=金属環)があるものの下に鈎(かぎ)(タチウオ用やバスのストレートフックなど)を3本付けた。その下に魚を引っかけるカットウ鈎を付けることもあるが、乗船人数が多いとオマツリの原因になるので禁止の船もある。

餌は、ホヤやアルゼンチンエビ、イワシが一般的だが、ホヤが手に入らずアルゼンチンエビをメインにした。エビにアミノ酸やニンニクなどの味を付けアピールをしてみた。トラフグを食べる、いや釣るための工夫は惜しまない。

当日は風が強く、波も高くて雨という最悪の状況。だが周りではポツリポツリとトラフグが釣れている。しかし私には全くアタリがない。風、波、雨、寒さで心が折れそうになる。

残り2時間ほどになった時、同船した仲間にアタリがあり、やりとり中に外れてしまった。その直後、別の仲間が2キロのトラフグを釣り上げた。2人は「オレンジの重りに変えたら反応があった」と声をそろえる。私も同じ重りに変え、探ると本日初めてのアタリ。しかし、巻き上げ途中で外れてしまった。

まだ可能性はある。餌を付けようと見ると鈎先がない。どうやらトラフグの歯で折られたようだ。急いで鈎を交換して投入。するとすぐにアタリ。外れるなよ、鈎を折るなよ、と念じつつ巻き上げると大きなフグ。やっとの思いで釣れたのは3キロの良型。冷えきった体が急に熱くなった。

フグ調理免許所持者にさばいてもらい、身、白子、ヒレ、カエル(喉仏)の各部位を持ち帰り、なかなか食べられない高級魚を堪能した。(キャスティング土浦店・村山洋)