《釣り》ヤリイカ良型 今季は好釣果の期待 茨城・鹿島沖
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2月初旬、茨城県の鹿島港の幸栄丸に乗り込みヤリイカ釣りに行ってきた。近年の温暖化による海水温上昇の影響か、魚の生息域に変化が表れ、取れた魚が取れなくなったり、またその逆も見られたりするようになった。茨城の人気釣種、ヤリイカも例外ではなく、昨シーズンはここ数年中最も釣果が悪く、北の福島県沖で異常な釣れっぷりが見られた。
そんな中、釣り船各船のシーズン前調査での釣果は期待外れでイカ釣りファンをがっかりさせた。ところが1月下旬、千葉県の飯岡沖でイカが釣れたとの情報が入るやいなや、鹿島港の各船も昨年の不調がうそのように好釣果をたたき出し、イカ釣りファンが色めき立った。
強風としけで出船できなかったり、出船しても強風とウネリで釣果に恵まれなかったりする日が続く中、迎えた今回の釣行、土曜日とあって幸栄丸全9隻中4隻がヤリイカ船の人気ぶりだった。
午前5時に出船。航程約1時間で魚探が小さな反応を示す水深110メートルのポイントへ。船長の合図で一斉に仕掛けを投入-したが反応なし。何度か流し変えたが船中不発。沖合に進めて水深140メートルのポイントへ。
まずは1投目、仕掛けが着底して誘いを入れるといきなりグーンと大きなアタリ。軽く合わせを入れると明らかに大型イカの乗りを確信。
追い乗りを狙ってゆっくりと巻き上げる。グーン、グーンとさらなる乗りの感触が伝わってきた。胸躍らせ、かかったイカがバレないよう船の揺れをかわしつつ、水深100メートル以深から慎重にゆっくり巻き上げる。上がってきたのは50センチのパラソル級ヤリイカ2匹。2点がけの幸先良いスタート。と、直後に同サイズを1匹追加した。
周りもポツポツとイカを上げている。風もないしこのペースでいけるか-と1人ほくそ笑んだものの、その後はパッタリ。船は小まめに流し変えてくれるが徐々に周りの船も散り、行く手に暗雲が垂れ込める。
9時半ごろ、他のポイントで型が出たとの情報に北へ30分ほど走らせると既に5隻が先着。他の船も続々と集まって船団が形成され、一気に期待が高まる。水深180メートルとちょっと深めだが、仕掛けが着底して誘いを入れるとわずかなイカの触り。
慎重に巻き上げるとサイズは小さめながら貴重な1匹を追加。しかしその後はアタリもなく、周りも釣れている様子は見えない。結局、今シーズン最初の釣行は4匹と残念な結果だった。
今回の釣行後も海の状態が悪く、釣果は伸び悩んでいるが、釣れていたヤリイカは肉厚のパラソル級が主体。海が落ち着いてくれさえすれば群れが固まり爆釣も期待できそうだ。(上州屋谷和原店・林忠之)