人間と植物 相互に影響 渡辺さん映像アート展示 茨城・水戸

茨城新聞
2025年1月10日

若手作家の新作を紹介する企画展「クリテリオム101 渡辺拓也」が、茨城県水戸市五軒町の水戸芸術館で開かれている。渡辺さんが福井県小原地区で行われる草刈りを主題に制作した映像インスタレーション「草葉の陰から」を展示。相互に影響し合う人間と植物との関係性に焦点を当てている。同展は26日まで。

渡辺さんは1990年、東京都生まれ。茨城県の芸術文化事業「アーカスプロジェクト」をはじめ国内外のアーティスト・イン・レジデンスに参加し、その土地の人や社会を通して普遍的な主題を明らかにする作品作りを続けてきた。

作品で渡辺さんは、住み込みでボランティア活動をした人口1人の限界集落、小原地区の草刈りに着目し、刈られてしまう雑草が持つ歴史から人と植物の関係を問いかけている。

室内中央には草を模した彫刻が設置され、鑑賞者はかがんで顔を近づけながら一本一本に刻まれた言葉を読んでいく。

渡辺さんは「水戸でも見られる植物も登場する。人と植物が相互に成り立っていると考えるきっかけになってほしい」と話す。