「歴史的景観」向上へ 水戸、国のモデル地区指定

茨城新聞
2017年4月19日

水戸駅周辺の魅力を高めようと、水戸市は弘道館や偕楽園などの資源を生かした景観づくりを進める。水戸城跡周辺の緑化や駅北口ペデストリアンデッキ改修、千波湖周辺の広場、駐車場整備を進め、観光振興につなげる。国土交通省からモデル地区として指定を受け、3年間に「歴史的景観」整備を加速させる。

国交省は本年度から、建築物の外観に加え、広場や駐車場などのインフラを含め、地域の面的な景観整備に対し、2分の1を補助する「景観まちづくり刷新支援事業」をスタート。全国の79地域80自治体から応募があり、水戸市を含む10市が3月31日にモデル地区として指定を受けた。

同市の事業期間は2017~19年度の3年間で、総事業費は19億4900万円。水戸駅を中心に、水戸城跡や千波湖、偕楽園などを含む約6平方キロの区域を「弘道館と水戸城跡周辺」「千波湖周辺」「偕楽園」の3エリアに区分け。歩行者空間や建物改修、広場造成、案内板設置などの整備を実施していく。

水戸城跡周辺では、19年の完成を目指す大手門や角櫓(すみやぐら)ののり面に、桜や梅の木を植樹し、緑化を進める。また、駅北口のペデストリアンデッキ路面を御影石調に改修、三の丸地区の再開発事業と合わせ、一体的な歴史空間として整備する方針。

千波湖周辺では、水質浄化を目的に湖面上に配置している「スワンボート型浄化装置」を、景観に配慮してアシやヨシなどの植物で覆った設備に変更する。南側の湖岸には眺望広場を整備するほか、「少年の森」駐車場を5~6倍となる100台超に拡充する。

市は景観向上によるまちづくりを進めることで、観光の振興を目指す。これにより、東京五輪が開かれる20年の観光入り込み客数を、15年比53万人増の420万人に引き上げたい考え。

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