「ひょっとこ踊り」復活 茨城・五霞 記録映像探し有志10人
茨城県五霞町川妻地区の住民有志が、30年以上途絶えていた地域の「ひょっとこ踊り」を復活させた。地元の一色神社の祭礼に合わせて4月21日に披露し、多くの住民が踊りや祭礼を楽しんだ。復活に関わった神社宮元の青木大輔さん(42)は「地域の伝統が継承されるきっかけになれば」と話した。
同地区では昭和初期から「川妻ひょっとこ踊り」として親しまれてきた。住民らは「川妻共楽連」をつくり、神社の祭礼などで盛んに披露された。しかし、昭和の後期になると、踊りを披露する機会が減った。後継者不足も重なり、平成になる頃には踊れる人がいなくなった。その後長らく披露されてこなかった。
2021年12月、郷土の偉人として地区に伝わる一色次郎輝季の没後400年を記念した「四百年祭」が開かれ、これを機に踊り復活の気運が高まった。有志10人が集まって取り組みを開始。踊りを記録していたビデオを探し出し、面と着物を所有していた人も見つかり、手がかりをつかんだ。中心メンバーの一人、森田有宏さん(51)は、「やってみようと話は出たが、ほとんどの人がどう踊っていたか分からなかった。ビデオを見て練習し、何とか形にすることができた」振り返った。
お披露目は同神社の祭礼に合わせて行われた。敷地内に舞台が設けられ、午前と午後の2回披露された。お年寄りや子どもたちが見守る中、森田さんらはひょっとこ、キツネなどの面や衣装を身に着け、軽妙なはやしに合わせてユーモラスな踊りを披露した。
五霞小5年の中島海君(10)は「練習すれば自分も踊れそう」と笑顔。青木さんは「復活に取り組んでくれた皆さんの熱意がうれしい。機会があればまた披露したい」と話した。
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