《食いこ》スペシャルボアーズ(茨城・桜川市) こだわりのキューバサンド

茨城新聞
2024年2月18日

大正期の建物をリノベーションした店舗。軒下の風鈴が寒空に揺れ、爽やかな音色を奏でる茨城県桜川市の「スペシャルボアーズ」。のんびりとした時間が流れる店内には、キャンプウエアやバーナー、飯ごうに植えられた観葉植物-と、アウトドアを彷彿(ほうふつ)とさせる品々が並んでいる。

「アウトドア好きが集う場や、興味がなかった人の入り口にしたい」と店主の藤沢貴洋さん(37)。妻あゆみさん(同)と夫婦で切り盛りする。「アウトドア系フードサプライヤー」を名乗り、キャンプやハイキングに持って行き手軽に食べられるよう、サンドイッチのメニューを豊富にそろえた。

看板メニューのキューバサンド

 

看板商品は「キューバサンド」。由来は諸説あるが、キューバ系移民が、自国のサンドイッチを移民先のアメリカ風にアレンジしたのが始まりとされる。細長いフランスパンのようなパン「キューバンブレッド」に、豚肉をライムとハーブに漬け込んで焼いた「モホローストポーク」とピクルス、チーズ、ハムを挟んで焼き上げたものだ。

パンにも具材にもこだわりがある。キューバンブレッドは桜川市内のパン店「ONE(ワン)BAKERY」に特注。ローストポークは漬けて焼くのに3日かけ、仕込みにも時間をかける。キューバサンド自体食べられる店が少ないが、キューバンブレッドを使った本格的なものはさらに珍しいという。

大正期の建物を改修した店舗

 

ロック歌手、エルビス・プレスリーが愛した「エルビスサンド」もお薦め。食パンにバナナとブルーベリージャム、ピーナツバター、ベーコン、チーズを挟んだホットサンド。甘じょっぱい味わいが女性客を中心に人気だ。

ハンバーガー店の店長だったあゆみさんが独立し、2022年9月にオープン。映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」でキューバサンドに興味を持ち、メニューの核に据えた。その後、貴洋さんが合流し、23年7月に現在の店舗に移転した。

飲食業にとどまらず、マルシェ開催や宿「うり坊」の運営、真壁への移住希望者と空き店舗のマッチングなど幅広く手がける。「ローカルライフスタイルを提案したい」と地域おこしに一役買っている。


■お出かけ情報
スペシャルボアーズ
▽桜川市真壁町真壁222の1
▽営業時間は午前11時~午後4時
▽定休は毎週月、水曜
▽駐車場なし。真壁高上町駐車場を利用する。
▽インスタグラムのアカウントはspecialboars

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