日本初の泊まれる体験型に 茨城県植物園 25年4月リニューアル 知事「観光の目玉に」

茨城新聞
2024年2月8日

茨城県那珂市の県植物園と県民の森は、2025年4月開園予定のリニューアルで、「日本初の泊まれる体験型植物園」として生まれ変わる。県がリニューアルの基本コンセプトや施設概要を発表した。大井川和彦知事は「植物園の機能は維持しつつ、裾野を広げ茨城の新たな観光の目玉にしたい」と語る。

基本コンセプトは「緑に遊び、緑に包まれて眠る、日本初の泊まれる体験型植物園」。日常的に園内を散策する地域住民などこれまでの利用者に配慮した上で、他の植物園にない新たな「体験」や「宿泊」の機能を追加する。リニューアル後は入園料を無料とし、各施設の利用を有料とする。大井川知事は「植物園の中での宿泊は、非常に話題性にも富み、大きな目玉の一つになる」と述べた。

県植物園は、宿泊施設としてコテージやグランピングエリアを設ける。有名ガーデナーが手がける庭付きのコテージ数棟を含め、新たな約45棟を園内に建設。ガーデンウエディングに対応した洋食レストラン、バーベキューエリアなども設ける。

同園に隣接する県民の森は、従来通り清閑な環境で散策を楽しめるようにする一方、空中に架け渡したワイヤロープを滑り降りる「ジップライン」など自然に親しめるアクティビティを設置。森の中の「カルチャーセンター」では、リースづくりや木製カップづくりなどの体験講座を増やす。

植物園の入場者数は、1995年のピーク時には約23万8000人に上ったが、2022年は5万6000人と大幅に減少。施設の老朽化や類似施設の台頭が課題となっている。リニューアルの事業費は県と国の交付金を合わせ約30億円で、今夏にも着工する予定。30年には年間利用者数を延べ26万人、売上高は8億7000万円を見込んでいる。