昭和の名残りがまた…「オレンジハット新町店」(群馬・藤岡市)が惜しまれながら閉店
上毛新聞
2023年9月29日
国道17号沿いにあり、赤色の帽子に口ひげの看板が目を引く店。軽食を扱うレトロ自販機やゲームコーナーがある「オレンジハット 新町店」(群馬県藤岡市立石)が9月末、閉店する。時代の変化やコロナ禍により、昭和の雰囲気が漂う空間がまた一つ消える。
同店は60代の男性店長が、40年ほど前に買い取った。ゲームやパチンコの全盛期だった当時、休日は大人から子どもまでの来店客が店内にあふれ、盛況が続いた。月の売り上げが600万~700万円となることもあったという。
しかし、携帯電話の普及とともに、客足は徐々に遠のいていった。店長によると、近年は高齢者の客がほとんどだったが、コロナ禍が追い打ちをかけて半数ほどにまで減少。その後も客は戻らず、閉店を決意するに至った。
うどんやそば、ハンバーガーやトーストなど、軽食の種類が豊富で人気だった自販機は既に撤去された。ガランとした店内には、それでも常連客の姿がちらほらと見えた。
午後8時。トラック運転手の仕事を退職した後に通い始めたという男性(75)が、常連仲間とパチンコ台の前にいた。5年前から週3、4回、3時間ほど遊びに来る。「ここは年寄りの憩いの場。知り合いがいるから来る。互いに安否確認みたいなもんだな」。そう話す横顔が寂しそうだった。
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