石田三成とフォロワー21万人の「ジブ殿」が結ぶ! 生存伝説が残る群馬と出生地の滋賀・長浜市が観光振興でタッグ
群馬県沼田市に伝わる戦国武将・石田三成の生存伝説をきっかけに、三成出生の地・滋賀県長浜市と群馬県の関係者の交流が始まった。互いの誘客に結び付けようと、同市の観光事業に御城印を通じて歴史を発信する「群馬御城印プロジェクト」(吉岡町)が協力。交流の輪が大きくなっていくことが期待される。
通説では三成は1560年、近江国北部、現在の長浜市で生まれた。天下人となった豊臣秀吉に重用され、検地など秀吉の天下統一事業で能力を発揮する。秀吉の死後に徳川家康と対立。1600年の関ケ原の戦いで敗北し、京都で処刑された。戦後に沼田市に逃れ僧になったとする生存伝説も残る。
長浜市が群馬に着目したのは、4月に上毛新聞ニュースサイトに掲載されたインフルエンサー「石田三成@ZIBU」さん(ジブ殿、@zibumitunari)のインタビュー記事がきっかけ。記事を読んだ同市の若手職員が、短文投稿サイトのX(旧ツイッター)でフォロワー21万人のジブ殿に関心を抱き、「群馬戦国御城印サミット」を開く同プロジェクトとの交流を持ちかけた。
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同市は15日まで、X上で川柳作品を募集している。関ケ原の合戦が起きた日にちなんで「今年こそ西軍勝利」をテーマに設定。告知ポスターの制作に同プロジェクトが協力し、勇ましい三成の甲冑姿が映えるデザインに仕上げた。ジブ殿も特別審査員を務める。29日に審査結果を公表し、入賞以上の16人に講演会のチケットや限定デザインの御城印といった賞品を贈る。
このほか同プロジェクトが、秀吉や浅井氏が治めた長浜城、小谷城といった同市の城を題材に御城印の制作を始めた。今夏に吉沢洋紀代表(42)らが同市を訪問し、市や歴史関連施設の職員と関係を構築した。来年5月に前橋市で開く「群馬戦国御城印サミット」には長浜市職員を招く予定という。
長浜市は今後、三成ゆかりの全国の自治体や団体と関係を構築したい考え。観光振興の相乗効果が狙いで、生存伝説が残る沼田市との連携にも前向きな姿勢を示す。長浜市文化観光課は「離れていても生存伝説がある群馬から川柳に応募し、三成に興味を持ってほしい。長浜に足を運んでもらい、関西からもゆかりの群馬に観光客が流れるなど全国で三成がブームになれば」と期待を寄せた。
吉沢代表は「チラシや御城印制作は(長浜市と)群馬とのつながりの第一歩になった。戦国の聖地と群馬をつなげ、群馬の歴史に光を当てたい」と意気込みを語った。ジブ殿は「三成ゆかりの地は全国にあり、遠い2つの地が結びつき非常にうれしい。今後もゆかりの地同士がつながり、活性化する取り組みを推進したい」とコメントした。
川柳の応募に関する詳細は、長浜市PRキャラクター「三成くん」のXアカウントに掲載している。
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