昭和にタイムスリップ 野外上映会楽しむ 茨城・常総

茨城新聞
2023年9月4日

常総水害からの復興とまち活性化に向け、野外上映会「懐かシネマ」が2日、茨城県常総市水海道宝町の映画館「宝来館」跡地で開かれた。市内外から訪れた多くの観客が懐かしの「昭和映画」を楽しんだ。

「懐かシネマ」は2014年、宝来館の看板絵師だった井桁豊さん(88)が中心となり、地域のにぎわいの象徴だった同館跡地で一夜限りの上映会として始まった。15年の常総水害後は復興の願いも込めて年1回続けられており9回目。

今回は、まざまな困難に直面しながらも青春を生き抜く鋳物職人の娘を描いた吉永小百合さん主演、浦山桐郎監督の「キューポラのある街」(1962年)が上映された。

会場には名作映画の看板やポスターが飾られ、用意された200席は満席になった。東郷治久実行委会長(75)は「水害からやっとここまできた。このひととき、昔にタイムスリップして青春時代に浸ってもらえたらうれしい」と話した。

実行委は、メンバーの高齢化などにより、来年の10回目を最後にするとしている。