フルーツ大福開発、アンコウ美肌成分素材 北茨城・まるみつ旅館 6月1日、専門店オープン

茨城新聞
2023年6月1日

茨城県北茨城市平潟町の「あんこうの宿まるみつ旅館」(武子能久社長)は、同市特産のアンコウに含まれる美肌成分コラーゲンを素材に使ったフルーツ大福を開発した。味だけでなく物語性や見た目にもこだわり、新たな客層の拡大を狙う。6月1日に旅館内でオープンするスイーツ専門店で販売を開始する。

開発した商品名は「あんこう大福神」。開発には近隣にある同旅館系列の菓子店の技術を活用した。アンコウのコラーゲンパウダーを練り込んだ大福餅で、ほどよい甘さの特製こしあんと生クリーム、フルーツを挟み込んだ。果物の季節に合わせ常時4種類ほどをそろえ、メロンなどの県産品も使っていく。バタークリームを挟んだ商品も販売する。

形は同旅館内に祭る「あんこう神社」のアンコウをかたどったご神体をモデルにした。アンコウの頭の上の疑似餌状の部分はマシュマロ製で、地元の八幡神社でご祈祷して縁起物の菓子に仕上げた。写真映えを意識し、見た目の愛らしさにもこだわった。

同旅館は新型コロナウイルス禍の中で活路を見いだそうと経営の多角化を進め、2021年からアンコウのコラーゲンを加えたプリンを販売している。今回、プリン販売の実績も踏まえ、女性客や海外客のインバウンド(訪日客)など新たな客層を取り込もうと、アンコウのコラーゲンに注目したスイーツ専門店を館内に立ち上げることにした。店舗名は「あんこう美肌スイーツ堂」と名付けた。

店舗では今後も和スイーツを追加し、来店客がスイーツ作り体験ができるようにしたい考え。武子社長は「アンコウでふるさとを世界一有名にしたい。いろんなジャンルを展開し、通販でも提供しながらPRにつなげたい」と話した。

あんこう大福神は1個330~450円。同旅館の宿泊客のお茶請けとしても提供する。系列菓子店「てんごころ」でも取り扱い、6月1日からインターネット通販を予定する。同専門店の営業は午前9時~午後5時。月火曜定休。