「一粒でも残してはならん」大きな声で堂々口上 日光・生岡神社 伝統の子供強飯式

下野新聞
2016年11月26日

 小学生が山伏と強力(ごうりき)を演じる日光市七里の伝統行事「子供強飯(ごうはん)式」が25日、同所の生岡(いきおか)神社で行われ、境内に勇壮な口上が響いた。 同神社は明治時代の神仏分離令までは寺院で、日光山輪王寺が強飯式を行っていた。現在は地元住民が儀式を引き継ぎ、無病息災や豊作を祈っている。

 今年は日光小5年の椎谷友宣(しいやとものり)さん(11)と山崎純成(やまざきじゅんせい)さん(10)がそれぞれ山伏と強力に扮(ふん)した。大勢の参拝者が見守る中、2人は堂々とした姿で登場。山盛り飯などが載ったお膳を前にした強飯頂戴(ちょうだい)人に「一粒(いちりゅう)でも残してはならん」などと口上を述べた。

 2人は「練習通りにうまくできた。多くの人に伝統が引き継がれてほしい」と笑顔。輪王寺の強飯式で強飯僧を務めた経験を持ち、頂戴人となった同寺僧侶藤沢克悦(ふじさわこくえつ)さん(44)は「2人の真剣な顔や大きな声が立派」と感心していた。

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