弓棚式高機 復元へ 桐生・彦部家住宅 21、22日に一般公開
江戸期から明治期にかけて使用されたとみられる手織り機「弓棚式高機(たかはた)」の復元プロジェクトが、桐生市広沢町の彦部家住宅(彦部篤夫館長)で進められている。希少な織機で同家に由来する歴史的な織物を再現し、地場産業の伝統と魅力を発信するのが狙いだ。手作りで復元した織機は21、22の両日に一般公開される。
弓棚式高機は弓状の竹で作った弓棚を上部に設置し、竹のしなりを利用して縦糸を操作する手織り機。現存する物は少なく、同家では1826(文政9)年ごろに使われていたと推定される。
市内外の専門家ら10人でつくる実行委員会が、東北地方で使われたとみられる弓棚式高機のフレームを市内の収集家を通じて入手し、不足部品を手作りして組み立てている。弓棚は同住宅の敷地に生える竹で作った。高さ約1・6メートル、長さ約3・3メートルの織機で、完成間近という。
一般公開は「紅葉狩りウィーク」(19~27日)の一環で行い、織りの実演が見学できる。実行委の朝倉泰委員長は「繊維に興味がある人を集め、手織りの教室を開くなど恒常的な事業にしたい」と話している。
弓棚式高機の復元は、同住宅の支援組織「鳳純(ほうじゅん)会」の事業として4月に始められた。同家が生産に関わったとされる桐生の歴史的な織物「黒繻子(くろじゅす)」「白綾(しらあや)」などを復元してPRする5カ年計画の第一段階。
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