県北芸術祭が開幕 6市町32カ所で展示

茨城新聞
2016年9月17日

県北6市町を舞台に初めて開催される国際アートフェスティバル「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」は17日、開幕した。11月20日まで65日の会期中、現代アートを中心とする国内外の参加アーティスト85組が、計約100の作品・プロジェクトを展示・発表する。展示会場は4エリアの32カ所に上り、県北地域に「芸術の秋」が到来する。県は会期中、30万人の来場を見込み、県北を中心とする本県の魅力を広く発信する好機ともなる。開会式は17日、北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で、実行委員会会長の橋本昌知事ら関係者が出席して行われる。

県北芸術祭のテーマは「海か、山か、芸術か?」。全体を統括する総合ディレクターは、森美術館長の南條史生氏が務める。

展示会場は、五浦・高萩海浜(北茨城市、高萩市)▽日立駅周辺(日立市)▽奥久慈清流(常陸大宮市、大子町)▽常陸太田鯨ケ丘(常陸太田市)-の4エリアにおおむね集約される。公共施設のほか、海岸や廃校、道の駅、空き店舗を含む商店街などを活用した。

32会場のうち、有料施設は同美術館や日立シビックセンター(日立市)など8カ所。個別鑑賞券に加え、各施設で1回ずつ使える作品鑑賞パスポート(一般前売券2千円、同当日券2500円)も販売する。

主な参加アーティストは、チームラボ、日比野克彦さん、落合陽一さん、イリヤ&エミリア・カバコフさん(ウクライナ出身、米国在住)、ミヒャエル・ボイトラーさん(ドイツ出身・在住)など。

展示内容は、インスタレーション(空間芸術)やメディアアート、絵画、彫刻など多彩。各アーティストは展示に向けた最終調整を進めている。チェ・ジョンファさん(韓国出身・在住)と妹島和世さんの作品公開は10月中旬ごろの予定。

会期中は秋の観光シーズンとも重なり、県内外から多くの来場者が見込まれる。県などの実行委員会は、渋滞回避や駐車場の確保に加え、土・日、祝日には会場を効率よく回る3コースの周遊バスを運行する。県外在住者を対象に、6市町の旅館、ホテルなどで使える宿泊割引クーポンも発行。来場者向けに統一のロゴマークを付けた芸術祭推奨の土産品も販売していく。

16日は、日立市内でレセプションと前夜祭を開催。橋本知事は「県北はさまざまな可能性を持った地域。芸術祭をきっかけに多くの人に興味を持ってもらい、地元の人がもっと良さを自慢して薦めてほしい。来場者30万人を達成させたい」とあいさつした。

地図を開く 近くのニュース